2013年12月28日土曜日

年末のご挨拶と新年に向けての抱負

理学療法開発学の大城です。

2013年は皆様にとってどのような一年でしたでしょうか?私は4月よりリハビリテーション学部長になり,組織運営について勉強し,「使命と責任」を考えさせられた一年でした。新しい年もそのことは継続して行かなければならないと思っています。

理学療法開発学では,3月に本田憲胤さん,大杉紘徳さんに博士の学位が授与されました。お二人共,修了後も研究に熱心に取り組まれ,国内外で活躍されています。博士前期課程を修了した4名も,大学院での学びを活かし,豊かな臨床を目指して,臨床研究を継続中です。また今年は,在学院生と修了生による勉強会が立ち上がり,学習と情報交換が行われるようになり,遠隔地からのweb参加もあって有意義な時間が共有されるようになりました。来年度は新たに5名の院生を迎える予定で,それぞれが研鑽し,自己実現を図られることを期待しています。

研究業績では,英語論文が5つpublishされ,国際学会での発表も活発に行われました。大杉さんは,The 8th International Congress on Vascular Dementia & The First Cognitive Impairment European MeetingでBest Poster賞を受賞し,現院生の佐藤さんは「理学療法ジャーナル」の奨励賞の受賞が決定しました(授賞式は4月)。院生,修了生皆さん一人ひとりが自律した臨床家,研究者に成長されていることを大変嬉しく思います。

私も皆さんに負けじと「赤ちゃんトレーニングのすすめ(仮)」と題した書籍を執筆中ですが,如何せん日々の仕事に追われて停滞しています。来年はどうにか完成させたいと思っていますので,ご期待下さい。国際学会にも行きたいと思っていますので,是非とも一緒に行きましょう。

新しい年が,皆さんとご家族様に希望と活力をもたらし,お一人お一人が活躍されますことを祈念しています。良き新年をお迎えください。

大城 昌平

今年,博士の学位を授与された
本田憲胤さん,大杉紘徳さんと

2013年12月25日水曜日

論文が「SpringerPlus」に掲載されました

博士後期課程の合田明生です。
この度,研究論文が「SpringerPlus」に掲載されましたので報告いたします。
Title: Changes in serum BDNF levels associated with moderate-intensity exercise in healthy young Japanese men
Authors: Akio Goda, Shohei Ohgi, Kazuhiro Kinpara, Kenta Shigemori, Kanji Fukuda, Eric B Schneider
Journal: SpringerPlus.2013, 2:678.
DOI: 10.1186/10.1186/2193-1801-2-678
URL: http://www.springerplus.com/content/2/1/678

本論文は,健常日本人成人男性を対象に30分間の有酸素運動介入を行い,運動前後の末梢血液中の脳由来神経栄養因子(BDNF)の変化を調べたものです。結果として,運動介入によって末梢血液中のBDNFは変化しませんでした。この結果は,欧米人における先行研究に反するものであり,その原因には日本人男性における生活様式や環境の違い,遺伝子特性などがあるのかもしれません。

本論文を作成するに当たり,多大なご支援を頂いた本学の大城昌平先生,金原一宏先生,関西福祉科学大学の重森健太先生,近畿大学医学部附属病院の福田寛二先生,Johns Hopkins School of MedicineのEric B Schneider博士,研究測定にご協力頂いた協立十全病院・近畿大学医学部附属病院の皆様,そして快く研究にご協力いただいた被験者の方々に心より感謝いたします。ありがとうございました。

D2 合田 明生

2013年11月7日木曜日

Sanuel Merritt University(サミュエルメリット大学)との大学間交流協定が締結されました

2013年11月4~6日,アメリカ オークランドにあるSanuel Merritt Universityより,Dr. Sharon Diaz学長他,6名の教職員が来学され,本学との学術交流協定が結ばれました。

SMUは看護学部,リハビリテーション学部(PT,OT),足病医学と附属病院を持つ医療系の総合大学で,今後,両校で教育・研究の交流が進められます。

Sanuel Merritt Universityとの
大学間交流協定が結ばれました
今回の来学では,OTのDr. Kate Haynerにより,リハビリテーション専門職教育(カリキュラム,教育・評価方法,実習等)についての講義と,看護学部長Dr. Audrey Bermanによるアメリカの保健医療系大学の教育トレンドについての講演が行われました。

医療専門職者の教育先進国から,専門職連携教育,シミュレーションやFlipped Classroom(ひっくり返った授業展開)など先端的な教育手法を学ぶ機会となりました。今後の交流が楽しみです。留学,研修等の広がりも期待されます。

大城 昌平

2013年11月4日月曜日

第53回近畿理学療法学術大会 参加報告

修了生の大杉紘徳です。11月3日に行われた第53回近畿理学療法学術大会で発表して参りました。
第53回近畿理学療法学術大会で発表
(大杉)
今回は,「健康関連QOLと前頭前野脳血流反応の関係‐近赤外分光法による検討‐」というタイトルで,健康関連QOLであるSF-36の下位項目と,認知負荷を与えた際の脳血流反応の関係を検討しました。その結果,SF-36下位項目の中でも,「痛み」の項目が脳血流反応と関連しており,痛みによるQOLの低下は脳機能に影響を与える可能性が示唆されました。

初めての近畿地方学会であり,これまでの東海北陸ブロックとはまた異なる雰囲気を感じることができました。こちらでも,多くの理学療法士が熱心に講演や研究発表を聴いておられ,向上心の高さをうかがうことができました。

今回の学会参加もとても良い刺激になりました。臨床の方々に少しでも示唆を与えることのできる研究を進めていきたいと思います。

最後になりますが,発表にあたり丁寧にご指導いただきました大城先生を始め,京都橘大学の兒玉准教授,研究参加に快く応じていただいた被験者の皆様に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

修了生 京都橘大学 大杉紘徳

2013年11月3日日曜日

2013年度第3回理学療法開発学定期勉強会 開催報告

10月23日に第3回理学療法開発学定期勉強会を開催しました。
勉強会風景
トピック紹介
トピック紹介の担当は加茂 渉さん(M1)で,「睡眠 ~睡眠評価法と睡眠不足により惹起される身体・精神変化~」というテーマで発表して頂きました。自身の研究テーマである睡眠について,社会的背景や測定方法,疾患との関連について紹介されました。
加茂 渉さん(M1)
英文抄読
英文抄読の担当は太田 隆慈さん(M1)で,「Feasibility, reliability, and validity of a smartphone based application for the assessment of cognitive function in the elderly.」を紹介して頂きました。タブレット端末を使用した認知機能検査アプリの開発についての研究論文で,今後の発展が期待できる分野であると感じました。
太田 隆慈さん(M1)
学会予演
また今回は本学卒業生である堀江 利泳子さんに参加して頂き,第29回東海北陸理学療法学術大会の予演として,「障害児等療育支援事業における理学療法士の参画の意義 -症例検討を通して-」を発表して頂きました。日々の臨床での取り組みについての発表で,発表後には参加者から質問・意見・アドバイスなどを受けていました。堀江さん,当日の発表も頑張ってください!
本学卒業生である堀江 利泳子さん

理学療法開発学定期勉強会では,本学の在校生・修了生,また外部の方の参加を受け付けております。毎月第4水曜日の20:00から開催します。勉強会に参加したい,発表の練習をしたい,英文を読んでみたいなど,ご希望のある方は佐藤(12dr03@g.seirei.ac.jp)までお気軽にご連絡ください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

D2 合田 明生

2013年10月28日月曜日

Best Poster賞を受賞しました

修了生の大杉紘徳です。先日発表して参りましたThe 8th International Congress on Vascular Dementia & The First Cognitive Impairment European Meeting(報告記事)において,Best Poster賞を受賞しました。自身の研究成果が認められたかと思います。
今後も,このような機会が多く持てるように努めていきます。ご協力いただきました皆様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

修了生 京都橘大学 大杉紘徳

2013年10月22日火曜日

International Congress on Vascular Dementia & The First Cognitive Impairment European Meeting 参加報告

修了生の大杉紘徳です。2013年10月17-20日にギリシャのアテネで開催されたThe 8th International Congress on Vascular Dementia & The First Cognitive Impairment European Meetingにて,「Physical activity affects cognitive function in view of prefrontal cortex activation」という演題でポスター発表をして参りました。
開会式前の様子
本研究では,運動が脳機能,認知機能に与える効果を検討しております。脳血管性認知症や認知機能障害に特化した学会であったため,参加者からの反応も良く,多くの方と接する機会が得られました。
発表者一覧
世界各国から多くの参加者が集まりました
ただ,自身の英語能力の低さから,研究内容をうまく伝えられなかったり,質問にうまく答えられなかったりと,多くの課題を残しました。次回の学会では充実したディスカッションをできるよう,今後は英語の勉強も進めていかなければならないと感じました。
ポスター発表セッション
レセプション会場
多くの方々と会話をする機会が得られました

最後に,学会発表にご協力いただいた大城昌平教授を初め,京都橘大学の兒玉准教授,職場の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

修了生 京都橘大学 大杉紘徳

2013年10月9日水曜日

2013年度第2回理学療法開発学定期勉強会 開催報告 -理学療法開発学定期勉強会が始まりました-

9月25日に第2回理学療法開発学定期勉強会を開催しました。この勉強会は当研究室所属の大学院生と修了生を対象に,プレゼンテーション能力の向上,知識の共有,継続的な学習の機会の確保,大学院生・修了生間の交流の促進を目的に8月から始まりました。勉強会は第4水曜日の20:00から開催します。内容は英文抄読とトピックス提供です。
理学療法開発学定期勉強会
この勉強会では,当研究室所属メンバーに遠隔地在住の大学院生や修了生がいることを考慮して,インターネットを利用した遠隔参加を導入しております。これにより距離の面で参加が困難な方々も参加しやすくなり,有意義な学習の場になることと思います。

勉強会の雰囲気も非常に良く,活発な質疑応答が交わされるため,到底一人では考え付かない,思いつかないことを指摘し合える大変実りのある学習の機会となります。

今後も定期的に開催し知識や交流を深めていきたいと考えております。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。

D2 佐藤 慎

2013年10月8日火曜日

第14回日本早期認知症学会大会 参加報告

修了生の大杉紘徳です。2013年9月21,22日に浜松で開催された「第14回日本早期認知症学会大会」にて,「早期認知症検査CKPTの基準関連妥当性」という演題で口述発表をしてまいりました。
第14回日本早期認知症学会大会
本学会は医師,看護師を始め,多くの医療・福祉関係者が参加される学会であり,多くの講演と研究発表が行われておりました。

私自身の発表は,理学療法開発学博士後期課程の奥山惠理子先生が中心となって測定された,早期認知症検査法であるCKPTの基準関連妥当性について検討したものを報告しました。CKPTは奥山先生や共同研究者である志村孚城先生が中心となって開発された,前頭前野機能に焦点を当てた新たな早期認知症検査法です。今回の検討で,CKPTはWisconsin card sorting testとの関連が明らかとなり,前頭前野機能評価としての有用性を示唆しました。この報告に関して,座長を始め,医師,介護士の方々から多くの質問を受けることができ,CKPTの今後の発展性を実感しました。

今後,ますます増加が予想される認知症の早期発見,早期介入の重要性を学び,自身の研究成果を社会に還元できるように努めていきたいと思います。

最後に,本研究にご協力いただきました奥山惠理子先生,志村孚城先生,大城昌平先生に感謝を申し上げます。

修了生 京都橘大学 大杉紘徳

2013年10月7日月曜日

論文が「日本早期認知症学会誌」に掲載されました

修了生の大杉紘徳です。この度,研究論文が「日本早期認知症学会誌」に掲載されましたのでご報告いたします。

 「健常高齢者の身体組成と前頭前野機能の関係」
大杉紘徳,横山茂樹,村田伸,大城昌平
日本早期認知症学会誌.6(2),9-14,2013.

本論文は,高齢者の身体組成と前頭前野機能の関係を検討しております。BMIを始めとした体格指標と認知機能との関連は先行研究で示されていますが,体格を構成している筋量や脂肪量に関しては未だ明らかでないことが多くありました。そこで,健常高齢者の筋量や脂肪量と認知機能との関係を検討した結果,男性では脂肪量が,女性では筋量が認知機能と関係していることが明らかとなりました。この結果から,身体組成の詳細な評価は早期の認知機能の低下に有益である可能性が示唆されました。

本研究の実施にあたりご指導いただきました大城昌平先生,論文作成にご協力いただいた横山茂樹先生ならびに村田伸先生,そして快く研究にご協力いただいた被験者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

修了生 京都橘大学 大杉紘徳



2013年9月10日火曜日

ACPT (Asian Confederation for Physical Therapy) Congress 参加報告

2013年9月5-9日に台湾で開催されたACPT (Asian Confederation for Physical Therapy) Congress 2013の参加報告を致します。

この学会では,インドネシア,日本,マレーシア,韓国,フィリピン,台湾などのアジア圏の理学療法士が参加し,臨床や研究の成果を発表し合いました。当研究室からは,合田(D2)が参加し,ポスター発表を行いました。
会場風景1:入り口看板
会場風景2:ロビーでは軽食が準備されています。
飲み物(コーヒー,ウーロン茶,緑茶)がすべて
砂糖入りであったことが印象的でした。
今回の発表テーマは「Malnutrition and frailty were risk factors for the occurrence of Cognitive Impairment in Japanese Elderly」とし,日本人の施設入所高齢者において低栄養と虚弱が認知症の発症に影響しているという内容でした。多くの研究発表を見ることができ,大変有意義な体験となりました。

発表風景(合田)
学会後には台湾観光も行いました。
台北名物の夜市:地下街に飲食屋台が立ち並びます。
マンゴーアイスが美味しかったです。
同じく学会に参加していた本学の生体機能理学療法解析学研究室の皆さんと一緒に火鍋を食べました。
生体機能理学療法解析学研究室の皆さんと
最後になりますが,ご指導を頂いた大城昌平教授,共同研究者の加茂智彦先生,いつも研究活動にご理解・ご協力を頂いている職場の皆様に深く感謝いたします。

D2 合田 明生

2013年8月22日木曜日

第8回ディベロップメンタルケアセミナーを開催しました

8月10-11日,東京都立墨東病院において第8回ディベロップメンタルケア(DC)セミナーを開催しました。200名近い参加を得て,盛会裏に終了することができました。
第8回ディベロップメンタルケアセミナー
プログラムは,
1日目 (DCの基礎理論)
・DC総論:早産児・低出生体重児とDC
  仁志田 博司 (東京女子医科大学名誉教授)
・胎児・新生児の生理発達および医学的管理とDC
  南 宏尚 (高槻病院)
・新生児・早産児の家族発達とDC
  永田 雅子 (名古屋大学)
・新生児の看護ケアとDC
  横尾 京子 (広島大学名誉教授)
・胎児・新生児の神経系の発達とDC
  太田 英伸 (国立精神神経センター)

2日目 (DCの実践)
・NICUの場を作る ―グリーフケアを通して見えてきたこと―
  関 和男,平井 菜穂子 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
・早産児のポジショニングとハンドリング
  木原 秀樹 (長野県立こども病院)
・NIDCAPモデルに基づいたDCの実際(ワークショップ)
  大竹 洋子,内海 加奈子 (墨東病院)
  遠藤 瑞穂,佐藤 裕美,森口 紀子 (高槻病院) 
でした。

講師の,知的かつ情熱に満ちた心に響く講義によって,参加者のDCの意識改革,行動変容をinspireすることができたと感じています。参加者の満足度は,99%が「満足」という驚異的数値でした。

次回のセミナーは12月(大阪開催)を予定しています。ご希望の方は,アトムメディカルのHPをご覧ください。近日中に案内をアップいたします。

大城 昌平

2013年8月21日水曜日

The XXIV Congress of the International Society of Biomechanics (ISB) 参加報告

理学療法開発学後期課程の根地嶋です。2013年8月4-9日にブラジルで開催されたバイオメカニクスの学会 The XXIV Congress of the International Society of Biomechanicsにて,「Determining the effect of leg length discrepancy simulation on pelvic alignment by using digital photography」という演題でポスター発表をして参りました。

ブラジルはブラジルでも,学会会場はナタールというブラジルの北東部に位置するまちです。ニューヨークからリオに飛ぶ飛行機では,自分の席にどなたかが座っているというアクシデント(チケットの座席番号が同じ)もありましたが,無事,ナタールに着くことができました。

自身のポスター発表は,脚長差が骨盤アライメントに及ぼす影響を,デジタル画像を用いて解析した研究です。残念ながら会場ではディスカッションするに至りませんでしたが,近いテーマで研究をしていた研究者とコミュニケーションをとれたことは貴重な経験でした。

学会のみならず,今回の出張の過程で言葉の壁に幾度となくぶつかりました。英語でのコミュニケーションができれば,さらに有意義な学会参加・出張になったことでしょう。次の国際学会に参加するときには,グレードアップして望みたいものです。

最後に,長期間の出張に当たり多くの皆様のご協力をいただきました。ご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに,感謝申し上げます。ありがとうございました。研究を次のステップにすすめ,再び国際学会を目指したいと思います。

根地嶋 誠

学会会場の目の前は海です。

上の写真の位置で振り返ると,会場のゲートがあります。
地元民と思われる方々がランニングをしています。

会場入り口です。
会場はビルのように縦に伸びる建物ではなく,平坦で広い作りです。

ポスター会場です。手前のテーブルに軽食が並びます。
夜になればビールなどのアルコールが提供される日もありました。

私のポスターは,上の写真の右列,一番奥に設置する事になりました。

2013年7月22日月曜日

理学療法学科卒業生研修会が開催されました

集合写真(クリックで拡大します)
7月14日,理学療法学科卒業生研修会が行われました。今回は講師に脇元幸一先生(清泉クリニック整形外科)をお招きして,「Spine Dynamics 療法の理論と臨床実践」についてご講演いただきました。講演では,運動学,物理学,進化学,心理学,生理学など学際的な知識から理論の背景を解説いただき,そして実技を交えて,実際に治療効果を検証しながら進められました。先生の幅広く深い学識に感銘を受け,またその学識を背景とした臨床の仮説設定と検証,そして理論構築のプロセスには大変敬服いたしました。

私は人の運動と社会行動(心と身体)の神経行動発達学を理論背景として,理学療法における「赤ちゃんトレーニング」を推奨していますが,物理学の剛性と柔性からみた身体運動学の理解は大変興味深く思いました。確かに系統発生学的にも,また個体発生の赤ちゃんの運動獲得過程も柔性の獲得から剛性へ,そして両者は相互作用しながら抗重力方向への運動を獲得していきます。その過程で,さらに神経系発達も発達していきます。

卒業生にも,日々の学修を深め,仮説設定と検証プロセスを繰り返しながら,それぞれの臨床を豊かにするためのきっかけとなったと思います。

今回,このような機会をお与えいただきました脇元先生に心より感謝申し上げます。先生の益々のご健勝をお祈り申し上げます。
大城 昌平

2013年7月3日水曜日

IAGG参加報告

2013年6月23-27日に韓国で開催された第20回国際老年学会(The 20th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics)の参加報告をいたします。

この学会は全世界から90か国,4229名が参加した大変規模の大きなものでした。当研究室からは佐藤(D2)と合田(D2)が参加し,ポスター発表を行いました。


[佐藤 慎]
今回の発表テーマは「Effect of Nutritional Status at Admission on the Physical Function at Discharge 」で,身体機能と栄養状態の関係性に関する内容でした。世界中からたくさんの研究者が研究成果を発表しており,非常に良い刺激を受けました。これからも国際学会に参加し,経験を積んでいきたいと思います。
会場にて(佐藤)
[合田 明生]
私は「Acute Moderate-Intensity Cycling Exercise Does Not Lead Consistently Increasing the Serum BDNF in Japanese Healthy Young Male」というタイトルで発表しました。同じ分野に興味を持つ研究者と知り合ったり,その分野の最先端の情報を盛り込んだシンポジウムを聞くことができたりと,大変有意義な経験となりました。外国の研究者に負けない積極性と英語力を身に付けて,また国際学会にチャレンジしたいと思います。
ポスター発表(合田)
最後になりますが,ご指導を頂いた大城先生,共同研究者の皆様,学会参加に協力して下さった職場の皆様に深く感謝申し上げます。これからも世界を視野に入れた研究活動を行い,社会に貢献できるよう精進してまいります。

D2 佐藤 慎,合田 明生

2013年7月2日火曜日

第16回静岡県理学療法士学会 優秀賞受賞

2013年6月23日に開催されました第17回静岡県理学療法士学会において,優秀賞の表彰をしていただきました。
優秀演題賞の表彰式
第16回静岡県理学療法士学会学会長 岡部先生と
これは,昨年の第16回静岡県理学療法士学会で発表した演題 「大腿骨近位部骨折患者における,睡眠状態が精神・認知・運動機能へ及ぼす影響」で受賞したものです。この発表は,修士研究の一部をまとめたもので,受賞の知らせを聞いたときはなかなか信じられなかった半面,とても嬉しかったことを思い出します。さらには,この内容を論文化し,静岡県理学療法士会学術誌に投稿・掲載していただくことができました。

修士生活は多くの苦労のもとで研究活動が達成でき,運良く学会でも表彰されたことは幸せに感じます。しかし,これに甘んじることなく,さらなる向上を目指して臨床,研究,教育活動,社会貢献活動を展開していきたいと思います。

いつも丁寧にご指導して下さった大城先生を始め,協力して下さった方々には心より感謝の意を申し上げます。

山下 裕太郎  (2011年度 博士前期課程 修了生)

2013年6月29日土曜日

第17回静岡県理学療法士学会 参加報告

2013年6月23日に開催されました第17回静岡県理学療法士学会でポスター発表をしてきました。演題は「早産児の睡眠発達と神経行動との関係」で,博士前期課程で行った研究の一部をまとめたものです。

P-07
一之瀬大資(修了生,磐田市立総合病院),杉浦さやか,松井浩之,大城昌平
「早産児の睡眠発達と神経行動との関係」

発表後には主に小児理学療法に携わっている先生方から質問やご意見をいただきました。総合病院に勤務している私にとっては,小児専門病院等で活動されている先生方の話は,新たな学びや気づきが多く,とても貴重な経験となりました。
発表練習の風景です。ポスターも見やすさが
重要だと改めて感じました。
わかりやすい,伝わりやすい,興味を引く発表ができるように
工夫していきたいです。
このように中々会えない先生方と臨床や研究について話ができることが学会の醍醐味だと思います。今後もコツコツと臨床や研究活動を続けて,様々な学会に参加していきたいと思います。

一之瀬 大資  (2012年度 博士前期課程 修了生)

2013年6月26日水曜日

「理学療法開発学」では,小児領域に関心のある大学院生を募集しています!

「小児領域」のリハビリテーションの構築に向けて,大学院生(博士前期・後期)を募集します。小児リハビリテーション領域は,EBMの立ち遅れた領域で,臨床研究の取り組みが大きな課題となっています。

正常乳幼児の運動行動発達研究,発達障害の認知行動研究,脳性麻痺等の発達障害研究,新生児・早産児の神経行動発達研究などに関心のある理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師等の大学院生(博士前期・後期)を募集します。

お尋ね等,詳しくは,大城メールアドレス(shohei-o@seirei.ac.jp)まで連絡をお願いいたします。

大城 昌平

2013年6月22日土曜日

理学療法開発学の歓送迎会

6月15日に理学療法開発学の歓送迎会(大城ゼミ・矢倉ゼミ合同)を開催しました。

理学療法開発学では,昨年度に博士後期課程修了生2名と博士前期課程修了生4名を送り出し,今年度は博士前期課程新入生4名を迎えました。
大城教授と2012年度修了生
(左から:鈴木・一之瀬・大城・山下・大杉・本田)
大城先生・矢倉先生をはじめ,多くの在学生と修了生にご参加いただき,総勢19名で楽しく充実したひと時を過ごすことができました。
集合写真
修了された先生方の新天地での益々のご活躍を祈念いたします。
入学された皆様は,これからの数年間が充実した時間となるよう頑張ってきましょう。

皆様,お忙しい中ご参加いただき誠にありがとうございました。

D2 合田 明生

2013年6月1日土曜日

第48回日本理学療法学術大会 参加報告

5月24日-26日に名古屋で開催された第48回日本理学療法学術大会において,大城教授がランチョンセミナーの講師を務めました。また,院生と修了生が発表を行いました。

【ランチョンセミナー】
大城昌平(聖隷クリストファー大学)
「子どもの発達原理と理学療法:赤ちゃんトレーニングのすすめ」
ランチョンセミナー(大城)
成人の中枢神経系障害や骨関節系障害の理学療法でも,赤ちゃんの運動発達原理が応用可能です。セミナーでは,胎児期から乳児期(歩行獲得)までの発達現象を概観しながら,身体と脳発達,知覚・運動発達,身体反応と運動連鎖などの観点から赤ちゃんの運動発達の原理を紹介し,理学療法における赤ちゃんトレーニングを提案しました。会場には,驚くほど多くの来場者があり,理学療法士の赤ちゃんの発達に関心が高いことを実感しました。また終了後に,来場者の方とディスカッションできたことも有益でした。日頃の理学療法の中に,是非「赤ちゃんトレーニング」を応用していただき,「赤ちゃんトレーニング」が広まることを期待しています。(大城)


【演題発表】(筆頭演者のみ)
P-A基礎-151
合田明生(D2,協立十全病院 リハビリテーション科), 佐々木嘉光, 本田憲胤, 大城昌平
「日本人における中強度有酸素運動による脳由来神経栄養因子の反応に関する研究」
ポスター発表 (合田)
修士時代から昨年までに測定したデータをまとめて発表しました。全国の先生方から貴重なご意見を頂くことができ,有意義な経験となりました。(合田)

S-B神経-007
本田憲胤(修了生,近畿大学医学部附属病院 リハビリテーション部), 阿部薫, 中野美紀, 和田紀久, 澤田優子, 寺田勝彦, 大城昌平, 福田寛二
「早産児に対するストレス刺激が引き起こす脳活動を調整するホールディング」

O-B生活-056
重森健太(修了生,関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科), 梛野浩司, 中俣恵美, 永井栄一, 出田めぐみ, 西井正樹, 林部博光, 廣島玲子, 西中正則, 甲斐悟
「地域在住高齢者におけるNordic Backward Walkingの運動学習に関する研究」

P-A運動-079
水池千尋(修了生,大久保病院 明石スポーツ整形・関節外科センター リハビリテーション科), 石原康成, 堀江翔太, 大谷豊, 立原久義
「機器を用いたディップ運動が肩関節可動域と結帯動作に及ぼす影響」
機器を用いたディップ運動が肩関節可動域と結帯動作に及ぼす影響について検証しました。ディップ運動によって肩甲胸郭関節の可動域は拡大し,結帯動作の改善に繋がることが示唆されました。学会でいただいたアドバイスを活かし,今後は臨床応用し,その効果を明らかにしていきたいと考えています。(水池)
ポスター発表(水池)

2013年5月12日日曜日

研究助成報告書が「理学療法学」に掲載されました

博士後期課程(D2)の合田明生です。この度,研究助成報告書が「理学療法学」に掲載されましたので報告いたします。

「運動が認知機能低下を予防するメカニズムの探索 -有酸素運動が血中ノルアドレナリンと脳由来神経栄養因子に及ぼす影響の検討-」
合田明生,福田寛二,上田昌美,本田憲胤,大城昌平
理学療法学 第40巻第2号 102~103頁 (2013年)

この報告書は,日本理学療法士協会の平成23年度研究助成を頂いて実施した研究の結果をまとめたものになります。運動による認知症の予防効果には,脳由来神経栄養因子という物質が関与すると考えられています。この研究では,運動による脳由来神経栄養因子の血中濃度の増加と,交感神経活動の亢進の関係を,健常成人男性で検討しました。その結果,健常成人男性において,30分間の有酸素運動は血中の脳由来神経栄養因子を有意に増加させず,運動による脳由来神経栄養因子の変化には交感神経活動は関連しないことが示唆されました。この結果には,日本人の持つ遺伝子多型の影響などが考えられ,更なる検討が必要であると考えられました。

この研究の測定に際して,ゼミの先輩である本田憲胤先生をはじめ,近畿大学医学部附属病院の福田寛二先生,上田昌美先生,病院スタッフの皆様に大変お世話になりました。また大城昌平教授には,解析・執筆作業時に多大な御指導を頂きました。そして侵襲を伴う研究であるにもかかわらず,多くの被験者の皆様が快く参加して下さいました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

現在行っている博士研究でも,引き続き「運動による認知症予防」をテーマに研究を行っています。自分の研究成果によって,少しでも社会に貢献出来るよう今後も精進してまいります。

D2 合田 明生

2013年5月11日土曜日

修了生の声 [京都より] (大杉)

博士後期課程修了生の大杉です。理学療法開発学の皆様お久しぶりです。私は昨年度,本田憲胤先生と博士後期課程を修了いたしました。博士課程修了生の写真がなかったので,ここで上げさせていただきます。
左から:大杉,大城教授,本田
また,私は今年度から職場を臨床から教育・研究現場へと移しました。今は京都橘大学に助手として勤務しております。下の写真の5階の研究室に一日中います。 
京都橘大学
本学は昨年健康科学部理学療法学科が誕生し,現在一期生51名,二期生73名,教員18名で構成されています。教員の中では私は最年少になりますが,周りの先生方に優しくサポートされ,日々充実した時間を過ごしております。
臨床現場で働く皆様に還元できるような研究を進めるとともに,臨床で活躍できる学生を教育していきたいと思います。理学療法開発学の一員として恥ずかしくない仕事をします。皆様,今後ともよろしくお願いいたします。ぜひぜひ,京都にお越しの際はご連絡ください。
大杉 紘徳(2013年3月 博士後期課程修了)

修了生の声 [シーサーのつぶやき] (喜納)

理学療法開発学の皆様,お久しぶりです。また,新しくご入学された先生方は初めまして。修了生の喜納と申します。新年度を迎えて早1カ月半が過ぎましたが,いかがお過ごしでしょうか?皆様におかれましては各々が高い志を持って頑張っておられることと思います。私は本年4月から故郷の沖縄へ戻り,浦添総合病院という急性期病院に勤務しております。その近況報告をさせていただきます。
補足:立っているのが喜納先生です
当院は県内唯一のDPCⅡ群病院で,302床,ドクターカー,ドクターヘリも完備している県内でもトップクラスの急性期病院です。病院理念に,地域住民のニーズを満たす医療に加え職員が誇れる企業を掲げており,患者様だけでなく職員のQOLも考えた経営方針を取り入れております。そのため,当院リハビリテーション科の雰囲気も活気に溢れ,毎週のように院内勉強会を開催し,QC活動を通じて業務改善に取り組み,呼吸療法認定士や住環境コーディネーター等の資格取得の支援を科全体でサポートしています。リハビリ業務に関しては365日稼働しており,3階(整形),4階(脳外・呼吸・救急総合)とフロアー担当制で,私は4階フロアーに所属しています。
私は,久しぶりに診る脳疾患や呼吸器疾患の患者様と電子カルテに悪戦苦闘しながら,毎日が慌ただしく過ぎていきますが,職場の上司や仲間に支えられ,1つ1つできることが増えてきています。また,今までに得た知識と新しく学習した知識が結び付いた時は,とても勉強が楽しく思えてきます。この知識を臨床に落とし込むにはどうすればいいかを考えるのも日々の楽しみです。今後もこれを継続しながら,志を持って1日1日成長していきたいと思います。最後になりますが,いつも皆様の顔を思い出しながら自分を鼓舞して,頑張っております。いつでも気軽に連絡して頂けると幸いです。遠く沖縄から情報発信していきますので,今後ともご支援宜しくお願い致します。
喜納 将克 (2011年3月 博士前期課程修了)