2012年8月28日火曜日

第16回静岡県理学療法士学会で優秀賞を受賞 (大杉)

6月24日にアクトシティ浜松(浜松市)で開催されました第16回静岡県理学療法士学会(HP)で,修了生の山下裕太郎さんと博士後期課程の大杉紘徳さんが優秀賞を受賞しました。

山下さん(記事)に続いて,大杉さんから受賞の声が届きましたので,ご紹介します。

第16回静岡県理学療法士学会において「二重課題トレーニングによる前頭前野機能への効果」というテーマで発表し,優秀賞を受賞することが出来ました。

[演題名]
大杉紘徳,栗田泰成,大城昌平
二重課題トレーニングによる前頭前野機能への効果

私はこれまで光トポグラフィを用いた脳機能に関する基礎研究を主題として研究を行ってきました。今回は,共同演者である栗田先生(理学療法開発学修了生)にご協力いただき,臨床実践研究と基礎研究の成果をまとめて発表しました。
 
今回の報告は,臨床実践によって得られた結果を基礎研究によって裏付けるという二つの研究を併せて報告しています。二重課題トレーニングを行うことで認知機能の向上が得られること,また,二重課題実施時には注意機能に関連した脳活動が生じていることが示され,認知機能への介入効果を示すことが出来たのではないかと思います。

基礎研究のみでは実際に患者様への効果は示すことが出来ず,また基礎研究なしでは介入の効果を科学的に明らかにすることが出来ないと考えています。これからも基礎研究,介入研究双方を大切にして研究活動を進めていき,患者様へ少しでも還元できるよう努めていきたいと思います。

研究を丁寧にご指導いただきました大城先生ならびに,データ測定や発表に多大なご協力をいただいた栗田先生に感謝申し上げます。ありがとうございました。

D3 大杉 紘徳

2012年8月27日月曜日

第16回静岡県理学療法士学会で優秀賞を受賞 (山下)

6月24日にアクトシティ浜松(浜松市)で開催されました第16回静岡県理学療法士学会(HP)で,修了生の山下裕太郎さんと博士後期課程の大杉紘徳さんが優秀賞を受賞しました。

まずは,山下さんの受賞の声をご紹介します。

私の修士研究テーマである,「大腿骨近位部骨折患者における睡眠状態が精神・認知・運動機能へ及ぼす影響」をまとめ,第16回静岡県理学療法士学会にて発表した結果,優秀賞を受賞することができました。

[演題名]
山下裕太郎,大城昌平
大腿骨近位部骨折患者における,睡眠状態が精神・認知・運動機能へ及ぼす影響
-入院中から退院後の変化に着目して-

発表では,大腿骨近位部骨折患者の睡眠状態は術後から退院後にかけて低値を示すと共に,精神機能に影響を及ぼし,ADLにまで影響を及ぼす可能性があるという結果を示しました。理学療法士として,日中の運動や身体機能ばかりに目を向けるのではなく,精神や身体の回復機能,学習機能を司る睡眠にも目を向けていく必要があるのではないかと考えています。

これまで研究にはほとんど無縁だった私が修士の門をたたき,大城先生の指導のもと,3人の同級生ともがきながら2年間の修士生活を終え,県学会で優秀賞という結果が残せたことは,自分にとっての財産です! 

今後は静岡県理学療法士会学術誌の投稿論文を作成するとともに,臨床家の目線から,臨床に生かすための研究活動を続けていきたいと思っています.丁寧にご指導していただいた大城先生,院生生活を支えあった3人の仲間達,本当にありがとうございました。そして,これからもよろしくお願いします。

修了生 JA静岡厚生連遠州病院 山下 裕太郎

2012年8月18日土曜日

修了生の声 [近況報告] (飯尾)

夜な夜な通った院生室ですが,最近はめっきり顔を出すことが減ってしまった修了生の飯尾です。大城先生のもとで修士課程を修了してからあっという間に2年が経ちました。
苦楽を共にした同期メンバー
私は,浜松市中区和合町にある浜松市リハビリテーション病院(180床;うち,回復期88床)に勤務しております。4年前にPT18人からスタートし,今年4月にはPT38名の大所帯となりました。(H26年に新館完成となり今後も規模拡大予定!?)1~5年目までが大多数を占める状態の中では必然的に教育係となるわけですが,当時の大城先生の丁寧な指導を思い出しながら根気よくスタッフと向き合っている今日この頃です。臨床では今年4月より院内での配属が変わり,呼吸障害・嚥下障害の患者様を主に担当することになりました。この分野は私にとっては未知の領域であり,日々,手探り状態で勉強しています。(全身状態に合わせて運動療法を行いますが,漠然と良くなる身体機能をどうにか数値化できないものか??と日々,頭を悩ませています。)

余談ではありますが,最近は夏休みのためか,中学生・高校生・(就職希望の学生)が職場見学にやって来ます。次の世代が育っているんだなぁ・・・と時代の流れを感じながら,さてさて,彼らにどうやって『PTになりたい!』と思わせようか・・・ とニヤニヤ楽しんでいます。

開発学メンバーの論文掲載の知らせやオリンピックの舞台裏で活躍しているPTの姿をみて,私も負けていられないなと感化されました。2年間の充電期間(冬眠期間?)を終了し,研究活動を進めていきたいと思います。目指せ!来年の全国学会!

今後ともご指導の程,宜しくお願いいたします。

飯尾 晋太郎 (2010年3月 博士前期課程修了)

「第5回 Fukushima Child Health 勉強会」で講演を行いました


過日,郡山健康科学専門学校の儀間裕貴先生のお誘いで「第5回 Fukushima Child Health 勉強会」(福島)にて,「赤ちゃんの行動を見つめる ~新生児ケアの向上のために~」と題した講演を行ってきました。竹田綜合病院の渡邉真生先生のお声掛けで,NICUの医師・看護師の参加もありました。講演では,早産児の行動発達と観察方法および発達ケアについてお話しました。趣旨は,「赤ちゃんの行動理解から,やさしいケアが学習障害や行動異常の原因となる高次脳機能障害を防ぎ、前頭前野の適切な発達を促す」というものです。その夜は,会津の地の物とともに,竹田綜合病院の赤ちゃんへの温かなケアの様子を伺うことができ,大変良い機会に恵まれました。

次の日は,郡山健康科学専門学校で「リハビリテーションのための人間発達学 -人の運動と脳と心の発達-」と題した講義を行いました。理学療法学でも,自然人類学や文化人類学的な視点から人を観る教養を身につけることが必要と思われます。人間理解と子どもの発達に対する関心が深まれば大変嬉しく思います。

儀間先生にこの機会をいただき,心より感謝いたします。

大城 昌平

2012年8月12日日曜日

論文が「日本物理療法学会会誌」に掲載されました

修了生の喜納です。先日の記事でも少しお話させていただきましたが,この度,修士研究の内容が「日本物理療法学会会誌」に掲載されました。

痛みの感覚的評価と神経生理学的反応の関係 -電気的皮膚反射(GSR)と近赤外線分光法(NIRS)を用いた研究-
喜納将克,金原一宏,大城昌平
日本物理療法学会会誌 第19号 pp37-43 2012

本論文では,痛みの情動・認知的側面をGSRとNIRSという神経生理学的反応で評価できるかを検討しました。健常成人男性を対象に同一強度の電気刺激を加え,痛みの感じ方が高値群と低値群で神経生理学的反応がどう変化するかを比較しました。結果は,高値群の方が神経生理学的反応が高い傾向にありました。これは,扁桃体を中心とした神経回路が関係していると考えられます。しかしながら,GSRとNIRSを評価尺度としていくには更なる検討が必要となります。

最後に,この論文掲載は,大城先生と金原先生をはじめ,研究にご尽力頂いた全ての方々のお陰だと思っております。大変感謝しております。これからも,一つ一つ前に進んでいきたいと思います。

修了生 みやもと医院 喜納 将克

痛みの感覚的評価と神経生理学的反応の関係
-電気的皮膚反射(GSR)と近赤外線分光法(NIRS)を用いた研究-